ドローン補助金の概要

1. ドローン事業で活用できる主な補助金の種類

ドローン事業で活用できる主な補助金には、機体の購入や新サービス開発を支援するもの、販路開拓を目的としたもの、さらには操縦者の資格取得を支援するものなど、多岐にわたる種類があります。

目的に合わせた主な補助金・助成金の要点は以下の通りです。

① ものづくり補助金(ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金)

  • 要点:革新的な新製品・新サービスの開発や、生産プロセスの改善に必要な設備投資を支援します。
  • 対象:ドローン本体の購入、レーザー測量システムの構築、専門家経費、外注費など。
  • 補助額:従業員数により最大750万円〜2,500万円(グローバル枠は最大3,000万円)。

2. 中小企業新事業進出補助金

  • 要点:既存事業とは異なる「新規事業」への挑戦を支援する、事業再構築補助金の後継制度です。
  • 対象:ドローンスクール事業への進出、点検・撮影サービスの開始に伴う建物費や機械装置費など。
  • 補助額:補助上限は従業員数により最大2,500万円〜1.5億円、補助下限は750万円と高めに設定されています。

3. 小規模事業者持続化補助金

  • 要点:経営計画に基づいた販路開拓や業務効率化の取り組みを支援します。
  • 対象:ドローンによる空撮サービスのPR広告費、展示会出展費、機体購入費など。
  • 補助額:通常枠は最大50万円ですが、賃金引上げ等の特例適用で最大200万円〜250万円まで引き上げられます。

4. ドローン配送拠点整備促進事業費補助金

  • 要点:離島や山間部での物流効率化を目的に、配送拠点の整備やドローン物流の社会実装を促します。
  • 対象:需要調査、計画策定、配送拠点の構築、ドローン機材費、初年度の運行経費など。
  • 補助額:補助率1/2以内、上限3,500万円。

5. デジタル化・AI導入補助金(旧IT導入補助金)

  • 要点:自社の課題解決に役立つITツール(ソフトウェア)の導入を支援します。
  • 対象:3D GISツールやドローン関連の解析ソフトウェア、クラウド利用料など。
  • 補助額:通常枠で5万円〜最大450万円。

6. 人材開発支援助成金

  • 要点:従業員の専門的な技能習得を支援する制度で、ドローンの国家資格取得に活用できます。
    助成金の申請は社会保険労務士の独占業務です。
  • 対象:登録講習機関(ドローンスクール)の受講料など。
  • 助成率:中小企業の場合、受講料の75%が助成されます。

7. 自治体独自の補助金

国とは別に、各自治体が地域課題(スマート農業や防災など)に合わせて独自の支援を行うケースがあります。

鳥取県の事例では、ドローン・レスキューユニット参加企業に対し、機体購入(最大200万円)や技能証明取得(最大15万円)を補助されました。

また、東京都の事例では、ドローンを活用したアクセシブル・ツーリズム(観光ツアー)の開発支援の補助を行いました。

自治体独自のドローン補助金を見つける主な方法には、以下の3つがあります。

⑴ 自治体の公式ホームページを定期的に確認する

最も確実な方法は、自社が所在する、あるいは事業を展開する都道府県や市区町村の公式ウェブサイトを直接確認することです。

⑵ ドローン情報共有プラットフォーム

内閣官房が提供しているこのサイトには、ドローンに関する国の施策だけでなく、自治体の主な取り組みや支援策がまとめられています。

全国の自治体が実施しているドローン関連の取り組み、およびそれに関連した交付金や補助金などの支援策が一覧形式で掲載されています。

広範な地域の情報を効率的に把握したい場合に非常に有効なツールです。

⑶ 防災×テクノロジー官民連携プラットフォーム

防災分野でのドローン活用を検討している場合は、内閣府が設置したこのプラットフォームが役立ちます。

サイト内のマッチングサイトでは、地方公共団体が抱える「ニーズ」と、企業が提供する「技術・サービス」を登録・検索できるようになっています。

自治体との連携を通じた実証実験や導入支援の機会を見つけることが可能です。

自治体の補助金は、国の制度(ものづくり補助金など)と併用できる場合がありますが、自治体側で併用を制限している場合もあるため、申請前に必ず各窓口へ確認してください。

⑷ J-NET21

独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しているサイトです。

補助金をはじめとした国や地方公共団体の金融支援などを掲載しているページです。

日々新しい情報の更新が公開されています。

2. 補助金申請する際と採択された後補助金を貰うまでの注意点

補助金を申請する際、および採択されてから実際に受け取るまでには、多くの厳格なルールがあります。

共通する最も重要な注意点は、補助金は原則として「後払い(精算払)」であること、および「交付決定」を受ける前に発生した経費は対象外になることです。

主な注意点を時系列に沿ってまとめます。

① 補助金申請時の注意点

申請段階では、形式的な要件の確認と、審査で評価される事業計画の策定が重要です。

  • GビズIDプライムアカウントの取得:多くの補助金で電子申請が義務付けられており、事前に「GビズIDプライムアカウント」を取得しておく必要があります。
    発行には数週間かかる場合があるため、早めの準備が不可欠です。
  • 公募締切の厳守:申請には期限があり、1分でも遅れると受理されません。
    また、地域の商工会・商工会議所による確認書類(事業支援計画書など)が必要な場合、その発行依頼締切は申請締切よりも数週間早く設定されているため、十分な余裕を持つ必要があります。
  • 重複受給の禁止:同一の事業内容や経費に対して、国や自治体から複数の補助金を二重に受け取ることはできません。
  • 価格妥当性の証明(相見積):単価50万円(税抜)以上の設備投資等を行う場合、原則として2社以上からの相見積が必要です。
    中古品の場合はさらに条件が厳しくなることがあります。
  • 実効性のある事業計画:単にドローンが欲しいという理由ではなく、導入によってどのように生産性が向上し、付加価値や賃金が増加するのか、具体的かつ客観的な数値目標を含む計画書を作成する必要があります。

② 採択後から補助金受領までの注意点

採択された(交付候補者になった)だけでは、まだ補助金の対象となる事業を始めることはできません。

  • 交付決定通知を待つ:採択発表の後、「交付申請」を行い、事務局から「交付決定通知書」が届くまでは、契約・発注・支払いを行ってはいけません
    これ以前に行った支出は、いかなる理由があっても補助対象外となります。
  • 計画変更には事前承認が必要:交付決定後に、購入する機体の変更や経費の配分変更、事業の中止などを行う場合は、事前に事務局の承認を受けなければなりません。
  • 支払いは銀行振込が原則:資金の流れを客観的に証明するため、支払いは補助事業者名義の口座からの銀行振込が原則です。
    10万円を超える現金支払いは認められないことが多く、クレジットカード払いや手形払いも制限があるため注意が必要です。
  • 実績報告と証憑の保存:事業完了後、決められた期日までに実績報告書を提出する必要があります。
    領収書、振込受取書、納品書、検査記録などの証憑類は、事業終了後も5年間(またはそれ以上)保存する義務があります。
  • 財産の処分制限:補助金で購入した50万円以上の機体や設備は、事業完了後も数年間(処分制限期間)、事務局の承認なく売却、廃棄、転用、貸付けなどを行うことが禁止されています。

補助金は採択(内定)されただけでは受給が確定しません。

採択後から補助金が支払われるまでの「補助事業期間」およびその後の「実績報告」の過程で、ルールに違反したり要件を達成できなかったりすると、補助金が1円も受け取れない、あるいは全額返還を求められるという事態が起こります。

どの制度を利用する場合でも、公募要領や手引きを熟読し、不明な点は事前に事務局や専門家(行政書士や中小企業診断士など)に確認することが、確実に補助金を受け取るためのポイントです。

3. まとめ

ドローン事業で活用できる主な制度には、新製品開発を支援する「ものづくり補助金」、販路開拓向けの「小規模事業者持続化補助金」、新分野進出を支える「中小企業新事業進出補助金」、さらに操縦者の資格取得を助成する「人材開発支援助成金」などがあります。

自治体独自の支援策は、国の情報共有プラットフォームや自治体サイトの定期確認で見つけることができます。

申請時の重要ポイントは、具体的数値目標を盛り込んだ「事業計画書」の策定です。

また、GビズIDの取得や、単価50万円(税抜)以上の設備に対する相見積りの取得も必須要件となります。

採択後に陥りやすい失敗は、事務局からの「交付決定」前に契約・発注を行ってしまうことです。

補助金は原則として後払い(精算払)であり、決定前の支出は一切対象になりません

さらに、設定した賃上げ目標が未達の場合や、銀行振込の控えなどの証憑類が不足している場合も受給が阻まれます。

導入した機体には数年間の処分制限が課される点にも注意し、採択後もガイドラインに沿った厳格な管理が不可欠です。

出典:小規模事業者持続化補助金について(中小企業庁)ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金総合サイト中小企業新事業進出補助金