行政書士として、ドローン操縦者に向けて「飛行マニュアル」について解説するブログを書いてみました。簡単にまとめましたので是非読んでください。
1. 飛行マニュアルとは？
飛行マニュアルとは、無人航空機の安全な飛行を確保するために必要と考えられる手順や遵守事項が記載されているものです。
特定飛行（人口集中地域、夜間、目視外など）で無人航空機を飛行させるには、国土交通大臣の許可・承認が必要ですが、その申請時に飛行マニュアルを添付します。
このマニュアルを使うことで、操縦者だけでなく審査を行う航空局側も、安全性の基準を共通理解できます。
飛行許可・承認後はこのマニュアルを遵守して飛行させなければいけません。
2. 飛行マニュアルの種類
飛行マニュアルには大きく分けて以下の種類があります。
- 航空局標準マニュアル（標準マニュアル）
国土交通省が定めた形式的なマニュアル。定型化された安全基準が盛り込まれており、申請時に使いやすい。 - 独自マニュアル
自社または操縦者が独自に作成するマニュアル。業務内容・機体性能・運用リスクに合わせて標準マニュアルより柔軟な運用が可能。
3. 標準マニュアルと独自マニュアル
⑴. 標準マニュアル
安全基準があらかじめ整理されていて、申請がスムーズに行われます。
航空局標準マニュアル01（個別申請）、航空局標準マニュアル02（包括申請）、航空局標準マニュアル（空中散布）、航空局標準マニュアル（研究開発）、航空局標準マニュアル01（インフラ点検）、航空局標準マニュアル02（インフラ点検）、航空局標準マニュアル（レベル3.5飛行）の７つがあります。
空撮などで使われているのは、航空局標準マニュアル01（個別申請）と航空局標準マニュアル02（包括申請）です。他の標準マニュアルは専門業務に特化したマニュアルです。
⑵. 独自マニュアル
本来申請者側でオリジナルの独自マニュアルを作っていましたが、難しいので最低限の安全基準をみたした標準マニュアルを航空局で出すようになりました。
標準マニュアルのままだと飛行できない部分を改善し、飛行できるように申請者が独自で作成したものが独自マニュアルです。
もちろん、最初から自力で独自マニュアルを作成することもできますが、正直面倒くさいです。
自社や自分の運用に合わせて標準マニュアルの内容を補完・拡張した方が簡単にできます。
標準マニュアルでは飛行できない場合、独自マニュアルでは飛行できる場合があります。
独自マニュアルは、航空局の個別審査が必要になるので時間がかかります。
4. 航空局標準マニュアルの内容
包括申請で使われる航空局標準マニュアル02の内容を見ていきましょう。
⑴. 無人航空機の点検・整備
「無人航空機の飛行日誌の取扱要領」に基づき、点検・整備を実施し、その記録を作成し管理する方法について書いてあります。
⑵. 無人航空機を飛行させる者の訓練及び遵守事項
基本的な操縦技量の習得、業務を実施するために必要な操縦技量の習得、操縦技量の維持、夜間・目視外・物件投下の練習方法、飛行記録の作成、無人航空機を飛行させる者が遵守しなければならない事項が書いてあります。
⑶. 安全を確保するために必要な体制
無人航空機を飛行させる際の基本的な体制、人口集中地区（DID地区）上空での飛行・人または物件から30m未満の距離での飛行・夜間飛行・目視外飛行・物件輸送・物件投下の飛行の体制、事故及び重大インシデントが発生した場合の連絡体制が書いてあります。
5. レベル 3.5 の飛行マニュアル改訂内容
結論から言いますと、人口集中地区（DID地区）での飛行が可能となりました。
飛行経路下に無人航空機が飛行することを事前に周知するなどの安全措置を取り、第三者の上空を飛行させないようにする事が条件です。
最近（10月29日）改訂した新しい内容が加わった航空局標準マニュアル（レベル3.5飛行）です。
6. まとめ
飛行許可・申請後はこの飛行マニュアルを遵守して飛行させなければいけません。
知らないうちに違反している事がないように、必ず熟読してから飛行させましょう。ページ数も9～12と少ないので簡単に読むことができる内容となっています。
ご自身が申請する内容に従った飛行マニュアルを添付し、飛行許可・承認申請を行いましょう。
