25㎏以上のドローン

1. 「25㎏以上のドローン」とは?

① 定義と重量

「25㎏以上のドローン」とは、機体本体の重量にバッテリー等を含めた最大離陸重量の合計が25kg以上となる無人航空機を指します。

最大離陸重量とは、機体本体の重量にバッテリーや搭載する荷物・装置(カメラ、農薬など)をすべて含んだ、離陸できる総重量の上限のことです。

ちなみに、積載量(搭載できる荷物の重さ、ペイロード)は、「最大離陸重量 – 機体重量」で計算できます。

この「重量の算定方法」については、国土交通省の「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(運用指針)」で明確に示されています。

25kg未満と25kg以上では、求められる操縦者の技能、機体の安全性、運用体制が大きく異なります。

② 限定解除が必要

25kg以上の機体は、航空法上「より危険性が高い無人航空機」と位置づけられています。

そのため、無人航空機操縦者技能証明における「25kg以上限定解除」を受けていない場合、原則として飛行できません。

③ 事故時のリスク

25kg以上のドローンは運動エネルギーが非常に大きく、墜落や衝突事故が発生した場合、死亡事故につながる可能性が高いと国も明言しています。

この点が、後述する保険義務化や厳格な審査につながっています。

2. 第三者賠償責任保険の加入義務

25kg以上のドローンについては、2025年10月1日以降、第三者賠償責任保険への加入が法令上必須となります。
これは「推奨」ではなく「義務」です。

義務化された理由は明確で、事故が起きた場合の被害額が極めて大きくなるためです。

想定される被害例:

  • 通行人への直撃による死亡・重傷事故
  • 建物・車両への甚大な物的損害
  • 業務停止による損害賠償請求

これらは個人・事業者の自己資金では到底賄えないケースが多く、国としても被害者救済を重視しています。

3. 25kg以上ドローンを飛ばす際の注意点

① 気象情報の確認

25kg以上の機体は、上空で風の影響を強く受けるため、以下の確認は必須です。

  • 地上風だけでなく上空風の確認
  • 突風・ダウンバーストの可能性
  • 雨・霧による視認性低下
  • 想定される気象条件下で安定した離陸、着陸及び飛行ができること

② 安定した離発着環境

機体が大型であるため、不整地や狭小地での離発着は重大事故に直結します。

  • 十分な面積
  • 第三者立入管理措置
  • 地面の傾斜・障害物の確認

③ 通信関係の確保

通信途絶は即「制御不能」につながります。

  • 通信距離の把握
  • 電波干渉源の有無
  • 他の機器に悪影響を与えないこと
  • 送受信機の故障

④ フェールセーフ機能

25kg以上の機体では、以下の設定確認が重要です。

  • 通信断時の自動動作
  • GNSS異常時の挙動
  • バッテリー低下時の制御

⑤ 具備すべき資料

飛行時には以下の書類を必ず携行・即提示できる状態にします。

  • 無人航空機及び操縦装置の仕様が分かる資料
  • 無人航空機の運用限界及び無人航空機を飛行させる方法が記載された取扱説明書等の該当部分の写し
  • 無人航空機に装備された安全性向上のための機器又は機能を付加するための追加装備を記載した資料
  • 機体認証を証する書類の写し
  • 過去の飛行実績又は訓練実績等を記載した資料

基準に適合していないことや資料が具備されていないことが確認された場合、許可・承認を取り消す可能性があります。

⑥ 事故・重大インシデント

25kg以上のドローンは産業利用の拡大に伴い事故が増加傾向にあります。

事故が起きた際は、負傷者の救護を最優先し、速やかに国土交通省へ報告する必要があります。

  • 操縦ミス
  • 整備不足(プロペラの損傷、バッテリー膨張)
  • 異物混入
  • 制御不能

4. 25kg以上のドローンの主な用途

① 物流分野

  • 山間部・離島への物資輸送
  • 災害時の緊急物資搬送
  • 苗木などの軽量物資の輸送

② 農業分野

  • 農薬散布
  • 肥料散布
  • 生育状況のモニタリング

③ インフラ点検

  • 送電線
  • ダム・橋梁
  • トンネル点検
  • 大規模設備点検

④ 建設分野

  • 資材運搬
  • 点検・測量
  • 工事現場の進捗管理

⑤ 防災・人命救助分野

  • 災害時の被災状況の早期把握
  • 被災者捜索
  • 緊急物資の迅速な輸送

5. まとめ

25kg以上のドローンは、国家資格の有無に関わらず、屋外で飛行させる場合は必ず航空法上の申請が必要です。

機体が大型なため墜落時の被害が大きくなるリスクが高く、安全確保のため、通常の「特定飛行」に該当しない場合でも特別な許可が必要です。

また、事故時のリスクが極めて高い求められる責任が重いという特徴もあります。

そのため、いきなり25kg以上の機体を扱うのではなく、まずは小型機で十分に経験を積むことが、安全面・法令遵守の両面から非常に重要です。