【2026年4月1日施行】離婚後の「共同親権」が可能に!―民法改正で変わる親権のかたち
2026年4月1日から施行される民法改正により、離婚後も父母が共同で親権を行使できる共同親権制度が導入されます。
この改正は、父母の離婚等に直面するこどもの利益をより確実に守ることを目的としており、離婚後の親権制度としては約70年ぶりの大きな見直しです。
1.これまでの制度:離婚後は「単独親権」が原則
これまでの民法では、父母が離婚した場合、どちらか一方の親だけが親権者になる単独親権しか認められていませんでした。
そのため、離婚後は親権を持たない側が子の教育や医療、進学などの重要な決定に関与することができず、「子どもに会いたいのに会えない」「教育方針に口を出せない」といったトラブルも多く見られました。
2.改正のポイント:離婚後も「共同親権」を選べるように
改正民法では、離婚後の親権について、次のように変更されます。
父母の協議または家庭裁判所の判断により、
「共同親権」または「単独親権」を選択できるようになります。
つまり、父母が協力して子どもを育てられる関係であれば、離婚後も両親が一緒に親権を持つことが可能になります。
3.共同親権と単独親権の違い(概要)
| 項目 | 共同親権(改正後) | 単独親権(改正前) |
|---|---|---|
| 親権者 | 父母の双方 | 父または母の一方 |
| 子の教育・医療などの決定 | 原則、両親の協議で決定 | 親権者が単独で決定 |
| 緊急時の対応 | 一方の親でも行使可 | 親権者が行使 |
| 想定される利用場面 | 円満離婚、父母間の信頼関係がある場合 | 対立が深い場合、DVや虐待がある場合 |
4.家庭裁判所が判断する場合の基準
父母の協議が整わない場合、家庭裁判所がどちらの形が子の利益に資するかを判断します。
その際、考慮される主な要素は以下の通りです。
- 子どもの年齢・意向
- 父母の養育能力・経済状況
- 父母間の協力関係の有無
- DVや虐待の有無
- 子の安定した生活環境の確保
特に、DVや虐待がある場合には共同親権は認められません。
子どもの利益を最優先に、家庭裁判所が慎重に判断することになります。
5.改正の背景と目的
この改正の背景には、下記のようなものがありあます。
- 子どもにとって両親と関わり続けることの重要性
- 国際的にも共同親権制度が一般的であること
- 親の権利ではなく「子の利益」を中心に据える考え方
法務省は、共同親権を導入することで
離婚後も父母が協力して子を育てる文化を根付かせたいとしています。
6.注意すべき点:トラブル防止と合意形成
共同親権は理想的に聞こえますが、実際には父母間の対立が残るケースも少なくありません。
そのため、次のような対策が重要です。
- 養育費や面会交流のルールを明確に決める
- 教育・医療などの方針を事前に合意しておく
- 行政書士や弁護士などに相談し、公正証書や協議書にまとめる
特に、法的な合意文書を作成しておくことで、後々のトラブルを防ぐ効果が期待できます。
まとめ(子どもの幸せを最優先に)
今回の改正は、親のための制度ではなく子どものための制度です。
離婚という状況においても、子どもが安心して育つ環境をどう守るか、
そのために、父母双方が責任を持ち、協力し合うことが求められています。
行政書士としても、今後は親権に関する協議書作成や公正証書作成のサポートなど、
新たな支援のニーズが増えることが予想されます。

