【令和8年5月施行】ドローンの機体認証が簡素化!航空法施行規則第236条の12改正を徹底解説

1. 令和8年5月1日に施行される航空法施行規則改正の概要

ドローン事業に関わる皆様にとって、機体認証の手続きは避けては通れない重要なプロセスです。

この度、航空法施行規則の一部を改正する省令が令和8年3月19日に公布され、同年5月1日から施行されることとなりました。

今回の改正の大きな目玉は、航空法施行規則第236条の12の改正です。

これは、主に無人航空機の「機体認証」における申請手続きをよりスムーズにし、検査の合理化を図ることを目的としています。

特に、型式認証を受けた機体と設計・製造過程が同一である機体について、これまで必要だった膨大な添付書類の一部を簡略化できる内容となっています。

本記事では、この改正が具体的にどのような変化をもたらすのかを分かりやすく解説します。

2. なぜ「航空法施行規則236条の12」が改正されるのか?

無人航空機の機体認証制度と型式認証制度は、令和4年12月5日に創設されました。

しかし、制度が始まる前に既に販売・出荷されていたドローン(いわゆる「出荷済み機」)の中には、後に型式認証を取得した機体と設計や製造過程が全く同じものが存在します。

これまでは、こうした「中身は型式認証機と同じ」機体であっても、型式認証を受ける前に製造されたという理由だけで、機体認証の申請時に詳細な設計図や製造計画書などの提出が求められていました。

今回の改正は、こうした検査の重複を避け、合理化を図るために、同一性が証明された機体については書類を代替できるようにしたものです。

3. 設計・製造過程の同一性証明による書類省略(新設第3項)

新設される第236条の12第3項では、第2種機体認証を受けようとする機体についての規定が設けられました。

具体的には、その設計および製造過程が、既に型式認証を受けたものと同一である機体については、本来提出すべき「設計計画書」、「設計書」、「設計図面」、「部品表」、「製造計画書」の書類に代えて、同一性を証する書類を提出することが可能になります。

この同一性を証する書類は、型式認証を受けた者(メーカー等)が発行したものに限られます。

これにより、申請者はメーカーから証明書を取得することで、複雑な設計関連資料を自ら用意する必要がなくなります(書類の省略)

4. 製造者等による安全確認による現状検査の簡略化(新設第4項・第5項)

さらに、下記のように現状の機体状態を確認する検査についても緩和措置が導入されます。

これらにより、実機検査に近い内容をメーカー側が事前に保証することで、国への申請手続きが大幅にスピードアップすることが期待されます。

① 新設第4項

型式認証機と同一の設計・製造過程で、かつ製造者等が安全基準への適合を確認したもの(最後の整備後に飛行していないものに限る)は、機体認証申請時の「無人航空機飛行規程」、「無人航空機整備手順書」、「航空の用に供した無人航空機については、整備又は改造に関する技術的記録及び総飛行時間を記載した書類」、「無人航空機の重量及び重心位置の算出に必要な事項を記載した書類」に代えて、安全基準適合を証する書類を提出できます。

ただし、この証明書は機体認証申請以前の30日以内に発行されたものである必要があります。

② 新設第5項

過去に機体認証を受けたことがある機体や型式認証を受けた型式の機体についても、同様に製造者等の確認(最後の整備後に飛行していないものに限る)があれば、「無人航空機飛行規程」、「航空の用に供した無人航空機については、整備又は改造に関する技術的記録及び総飛行時間を記載した書類」、「無人航空機の重量及び重心位置の算出に必要な事項を記載した書類」を安全基準適合証明書で代替できるようになります。

5. ドローンユーザーやメーカーが注意すべき点

今回の改正により、特に「型式認証機を後から機体認証に通したいユーザー」「中古の型式認証機を購入したユーザー」の負担が劇的に軽減されます。

メーカー側にとっては、出荷済み機に対しても「同一性証明書」や「安全基準適合証」を発行する体制を整えることが、ユーザー満足度の向上につながるでしょう。

申請者(ユーザー)は、申請時にこれらの書類がメーカーから発行可能かどうかを事前に確認し、「発行から30日以内」という期限に注意して申請スケジュールを組む必要があります。

6. まとめ

令和8年5月1日から施行される航空法施行規則の改正により、ドローンの機体認証手続きは大きな転換点を迎えます。

  • 書類の代替が可能に:型式認証機と同一の設計・製造過程であれば、メーカー発行の証明書で多くの添付書類を省略できます。
  • 現状検査の簡素化:製造者等による直近の安全確認があれば、現状に関する提出書類も簡略化されます。
  • 「30日ルール」に注意:安全基準適合を証する書類には30日以内という有効期限があります。

この改正は、ドローンの社会実装を加速させるための「手続きのDX化」の一環とも言えるでしょう。

制度を正しく理解し、メーカーと連携することで、よりスムーズに特定飛行の許可承認へ繋げることが可能になります。

複雑な申請にお困りの際は、ぜひ行政書士へご相談ください。