ドローン国家資格

1. 国家資格としての無人航空機操縦者技能証明の定義

① 制度の概要

無人航空機操縦者技能証明(以下、技能証明)とは、無人航空機(ドローンなど)を飛行させるのに必要な知識および能力を有することを国(国交省)が証明する資格制度です。

ただし、すべてのドローン飛行において技能証明が必要というわけではありません。どのような飛行かによって資格が必要かどうかは異なります。

② なぜ国家資格が導入されたか(目的)

ドローンの普及・多用途化(趣味、測量、点検、空撮、災害対応など)に伴い、飛行リスク(事故、第三者への危害、プライバシー・安全・騒音・プラント/インフラ等への影響など)が拡大。

こうしたリスクに対処するため、一定水準以上の操縦能力・知識を持つ人の証明を国が行うことで、安全かつ法令遵守の飛行を促進します。

結果として、ドローン利用の信頼性を高め、産業利用・社会実装を支えることができます。

こうした目的のもと、2022年12月5日から技能証明制度が開始されました。

2. 国家資格と民間資格の違い

① 民間資格(民間の講習団体による技能認証)とは

ドローン普及以前、多くの操縦者は、民間のドローン講習団体が発行する「技能認証」を取得していました。
これにより、飛行許可・承認の申請時に提出する書類の一部を省略できる、という運用が行われていました。

しかし、講習団体ごとに講習内容・水準が異なるため、認証を持つ操縦者の技量が必ずしも一定水準とは限りませんでした。

2025年12月に飛行許可・承認申請の一部を省略可能としていた、ホームページ掲載登録講習団体等が行う民間資格の運用が廃止されます。
ホームページ掲載登録講習団体等が行う民間資格自体は無くなりません。

② 国家資格である技能証明の意義

技能証明制度では、国が定めた一定以上の「知識と能力」を証明するため、操縦者ごとの技量のバラつきを抑え、安全性・信頼性の担保を目的とします。

特に、第三者上空などリスクの高い飛行を行う場合には、より高い水準の操縦能力が求められ、それを制度として担保するために国家資格が必要となります。

国家資格には、一等無人航空機操縦者技能証明二等無人航空機操縦者技能証明があります。

3. 一等無人航空機操縦者技能証明でできること

① 資格の対象と許される飛行形態

  • 一等無人航空機操縦者技能証明は、国が定める最上位の技能証明です。
  • 立入管理措置を講ずることなく行える特定飛行。
  • 対象となる機体は、回転翼機(マルチローター/ヘリコプター)および固定翼機(飛行機)。
  • 標準状態では「最大離陸重量25 kg未満・目視内・昼間飛行」が前提。

② 限定解除で可能になる飛行

一等無人航空機操縦者技能証明証を取得後、限定解除の実地試験を受けることで、以下のような飛行が可能になる。

  • 夜間飛行
  • 目視外飛行
  • 25kg以上の機体(マルチローター、ヘリコプター、飛行機)での飛行

③ レベル4飛行

一等無人航空機操縦者技能証明、かつ機体に第一種機体認証を得た機体を用い、第三者賠償責任保険に加入することで「カテゴリー III 飛行(レベル4飛行)」が可能となります。

これにより、例えばドローンによる都市部での配送や空撮、人や物件近接の飛行、夜間飛行や目視外飛行など、商業利用や映像制作、点検業務などにも対応できる可能性が広がる。

つまり都市部での飛行(第三者上空での飛行)が可能となります。

4. 二等無人航空機操縦者技能証明でできること

① 基本的な飛行形態

  • 立入管理措置を講じたうえで行う特定飛行。
  • 対象となる機体は、回転翼機(マルチローター/ヘリコプター)および固定翼機(飛行機)。
  • 標準状態では「最大離陸重量25 kg未満・目視内・昼間飛行」が前提。

② 二等無人航空機操縦者技能証明で可能/簡略化される飛行手続き

二等無人航空機操縦者技能証明を取得していると、本来飛行許可・承認申請が必要な特定飛行が、立入管理措置を講じることで一部の飛行許可・承認申請不要(DID地区上空、夜間、目視外、人または物件から30m未満での飛行)となります。

二等無人航空機操縦者技能証明を取得し第三者賠償責任保険へ加入している操縦者は、レベル3.5飛行が可能です。

5. 技能証明の注意点

① 有効期間と更新

  • 技能証明書の有効期間は一等・二等ともに3年間
  • 更新には、登録更新講習機関が実施する「更新講習」と、場合によって「身体適性」に関する確認が必要。
  • 有効期間満了日の6か月前から更新申請可能。

② 飛行時の携帯義務など書類管理

特定飛行を行う際、技能証明書の携帯が義務とされています。
これを携帯せず飛行した場合、罰則の対象となる可能性あり。

また、機体登録、必要な飛行許可・承認、飛行計画通知、飛行日誌の作成など、飛行前後の手続きや記録管理もきちんと行う必要があります

6. 罰則

  • 技能証明の限定解除をせずに特定飛行を行った(夜間飛行、目視外飛行など)場合、50万円以下の罰金
  • 技能証明に係る者の身体の状態に応じ、無人航空機を飛行させるについて必要な条件を付し特定飛行を行うが、それに違反した場合、50万円以下の罰金
  • 無人航空機操縦者技能証明書を携帯しないで特定飛行を行つた場合、10万円以下の罰金

7. まとめ

技能証明は、ドローン(無人航空機)を飛行させるのに必要な知識および能力を有することを国が証明する資格制度です。

技能証明には、一等無人航空機操縦者技能証明二等無人航空機操縦者技能証明があります。

有効期間は、一等二等とも3年間です。

資格取得だけでは安心せず、機体登録・飛行許可申請・飛行計画通知・飛行日誌作成・安全対策など、飛行の前後を含めた法令順守が不可欠です。