【ドローン許可申請】包括申請と個別申請の違いを徹底解説

ドローンを飛ばしたいけれど「包括申請と個別申請、どっちが必要なの?」と悩んでいませんか?

実は、飛行場所・飛行方法・飛行目的によって申請の種類がまったく異なります。間違った申請をすると許可が下りないばかりか、最悪の場合は無許可飛行として罰則を受けることになりかねません。

この記事では、飛行許可・承認が必要なケースと不要なケース、包括申請・個別申請の違い、申請のタイミングや有効期間まで、初心者にもわかりやすく解説します。

📋この記事でわかること

✔ ドローン飛行に許可・承認が必要なケースと不要なケース
✔ 包括申請と個別申請の違いと使い分け方
✔ 申請の流れ・タイミング・注意点
✔ 行政書士に依頼するメリット

1. ドローン飛行に許可・承認が必要な「特定飛行」とは

ドローン(無人航空機)は、航空法によって「特定飛行」に該当する飛行を行う際、国土交通大臣の許可または承認が必要と定められています。

特定飛行とは、以下の10種類の飛行形態を指します。これらに該当する場合は、必ず事前に申請を行いましょう。

  • 空港等の周辺上空での飛行
  • 地表または水面から150m以上の高さの空域での飛行
  • 人口集中地区(DID地区)上空での飛行
  • 緊急用務空域での飛行
  • 夜間飛行(飛行経験が必要)※
  • 目視外飛行(飛行経験が必要)※
  • 人または物件から30m未満の距離での飛行
  • 催し場所(イベント)上空での飛行
  • 危険物輸送
  • 物件投下(飛行経験が必要)※

※「飛行経験が必要」と記載されている夜間飛行・目視外飛行・物件投下については、申請時に一定時間以上の飛行経験を証明するよう求められます(DIPSで自己申告)。

これらに該当する飛行を無許可・無承認で行った場合、50万円以下の罰金が科せられる場合があります。

「知らなかった」では済まされないため、飛行前に必ず確認してください。

2. 許可・承認が不要なケース

一方、以下に該当する場合は許可・承認の申請が不要です。ただし、「申請が不要=何をしてもOK」ではない点に注意が必要です。

① 申請自体が不要なケース

  • 機体が航空法上の「無人航空機」に該当しない場合(機体重量100g未満の模型航空機など)
  • 屋内での飛行
  • 事故・災害時に国や地方公共団体等の依頼を受けて人命捜索・救助を行う場合(航空法第132条の92の特例)
  • 地表・水面から150m以上の空域でも、物件から30m以内の空域については飛行禁止空域から除外(空港等周辺・緊急用務空域を除く)
  • 十分な強度を持つひも等(30m以内)で係留した飛行で、飛行可能な範囲内への第三者の立入管理等の措置を行う場合は一部の許可・承認が不要

自治体独自の条例で飛行禁止区域が設定されている場合があります。

国の許可とは別に、飛行前は必ず地方自治体・公園管理者・施設管理者等に確認を行ってください。

② 許可は不要だが守らなければならないルール

申請が不要な飛行であっても、以下のルールは常に守る義務があります。これらは「許可の有無に関わらず」すべてのドローン操縦者に課される義務です。

  • アルコールまたは薬物等の影響下で飛行させないこと(違反した場合は1年以下の拘禁刑又は30万円以下の罰金)
  • 飛行前点検を行うこと(機体・電池・周辺環境などの確認、飛行前点検を飛行日誌に記載しなかった場合10万円以下の罰金)
  • 航空機または他の無人航空機との衝突を予防するように飛行させること(衝突を予防しないで飛行させた場合50万円以下の罰金)
  • 他人に迷惑を及ぼすような方法で飛行させないこと(違反して公共の場所の上空において無人航空機を飛行させた場合50万円以下の罰金)

ドローンを飛ばす以上、操縦者はすべて「安全配慮義務」を負っています。

3. 包括申請と個別申請の違い

① 包括申請とは

包括申請とは、同一の申請者が一定期間内(最長1年間)に反復して飛行を行う場合、または異なる複数の場所で飛行を行う場合にまとめて申請できる方法です。

一度申請を通しておけば、許可期間内であれば個別に許可を取り直す必要がなく、業務効率が格段にアップします。

⑴包括申請の対象となる飛行形態

  • 人口集中地区(DID地区)上空での飛行
  • 夜間飛行
  • 目視外飛行(FPV飛行含む)
  • 人または物件から30m未満の距離での飛行
  • 危険物輸送
  • 物件投下

これらの飛行形態については、全国を飛行範囲とする最長1年間の許可申請が可能です。

ドローンを使った空撮・点検・測量・農薬散布などの業務を定期的に行う方には、包括申請が非常に効率的です(趣味での飛行は包括申請ではできません)。

⑵包括申請が向いている方

  • 業務でドローンを使用し、定期的・反復的に飛行する方
  • 全国各地を飛行する予定がある方(空撮・インフラ点検など)
  • DID地区・夜間・目視外飛行を複数回行う方(DID地区+夜間や夜間+目視外などの重ね合わせは個別申請)

② 個別申請とは

個別申請とは、特定の日時・場所・飛行内容ごとに申請する方法です。包括申請の対象外となる飛行形態はすべて個別申請となります。

【個別申請が必要な飛行形態】

  • 空港等の周辺上空での飛行
  • 地表または水面から150m以上の高さでの飛行
  • 催し場所(イベント)上空での飛行
  • 高速道路・交通量の多い一般道・鉄道の上空やその付近での飛行
  • 夜間での目視外飛行(FPV含む)
  • DID地区での夜間飛行
  • DID地区での夜間の目視外飛行(FPV含む)
  • 飛行補助者を配置しない目視外飛行(レベル3.5・レベル4飛行)
  • 趣味目的での飛行
  • 研究開発目的での飛行

個別申請は、これらの飛行ごとに各条件の調整が必要なため、包括申請の対象外となります。

イベント撮影・趣味目的での飛行・レベル3.5飛行・DID地区+夜間+目視外等の掛け合わせでの飛行などに向いています。

4. 包括申請と個別申請の比較一覧(表)

包括申請と個別申請の特徴を一目で比較できるよう、表にまとめました。申請区分を選ぶ際の参考にしてください。

比較項目包括申請個別申請
有効期間最長1年間申請ごと(1回限り)
飛行場所全国(範囲を広く設定可)特定の場所のみ
対象飛行形態DID・夜間・目視外・人又は物件から30m未満・危険物輸送・物件投下空港等周辺・150m以上の空域・イベント上空
向いている用途業務用・定期的な飛行イベント・趣味・レベル3.5
申請の手間申請時のみ(更新は年1回)飛行のたびに申請が必要

5. 申請のタイミング・流れ・有効期間

① 申請のタイミング

申請は飛行予定日の少なくとも10開庁日前(土日祝日を除く)までに行うのが原則です。

DIPSで包括申請すると航空局標準マニュアル、改造無しなどの要件を満たしていれば1日で許可が可能です(1日許可は国交省の公約)。

注意点として、繁忙期(年度末・連休前など)は審査が集中し、個別申請だと許可取得まで1ヶ月以上かかる場合があります。

余裕を持った早めの申請を心がけましょう。

② オンライン申請の流れ(DIPS 2.0)

国土交通省が運営する「DIPS2.0(ドローン情報基盤システム2.0」を使ったオンライン申請の手順を解説します。

手順内容ポイント
STEP 1DIPSアカウント作成・ログインDIPSでアカウントを作成
STEP 2機体情報の登録(登録済みの方はSTEP3へ)機種・重量・機体の製造番号などを入力
STEP 3操縦者情報の登録飛行経験・技能証明の有無などを入力
STEP 4申請書の作成・提出飛行形態・場所・期間を選択して申請
STEP 5審査・補正対応不備があれば追加資料を提出
STEP 6許可書・承認書の受領PDFで発行される(原則10開庁日以内)

DIPSにアクセスすれば、原則申請から許可書の受領まですべてオンラインで完結します。書面での郵送申請も可能ですが、現在はオンライン申請が主流です。

③ 包括申請の有効期間と更新

包括申請の有効期間は最長1年間です。期間満了後も引き続き飛行が必要な場合は、期間満了前に改めて申請を行う必要があります(自動更新はありません)。

期間満了が近づいたら早めに更新手続きを行いましょう。万が一期限切れのまま飛行を行うと、無許可飛行とみなされるリスクがあります。

6. 行政書士に依頼するメリット

DIPSの操作や飛行マニュアルの作成は、初めての方には意外と複雑です。申請書類に不備があると補正対応が必要になり、許可取得が大幅に遅れることもあります。

行政書士に依頼すると、以下のサポートを一括して受けることができます。

  • 申請書類の作成・添付書類の確認
  • 業務内容に応じた独自の飛行マニュアルの作成(航空局標準マニュアルをベースに)
  • DIPSでの申請操作の代行
  • 審査期間中の補正対応
  • 許可・承認後の管理サポート(有効期限の管理・更新手続きなど)

ドローンを安全・合法的に運用するためにも、初めての許可申請は専門家への相談を検討してみてください。

7. まとめ

この記事では、ドローンの許可・承認申請について、包括申請と個別申請の違いを中心に解説しました。要点を整理します。

【この記事のまとめ】

  • 特定飛行(DID地区・夜間・目視外・空港等周辺での飛行など)を行う場合は国土交通大臣の許可・承認が必要。
  • 包括申請:最長1年間・全国対象で反復飛行に対応。業務でドローン飛行するのに最適。
  • 個別申請:特定の日時・場所・内容で申請。イベント上空・趣味・レベル3.5飛行向き。
  • 申請は飛行予定日の10開庁日前までが原則。包括申請だと国交省が1日許可を推進。

ドローンを安全かつ合法的に活用するためには、正しい申請区分の把握と適切なタイミングでの申請が不可欠です。

申請に不安がある方や業務利用を検討している方は、ぜひ行政書士にご相談ください。

まずはお気軽にお問い合わせください。

✉️お問い合わせはこちらから ⇨ 行政書士内間靖典事務所

【免責事項・最終更新について】

本記事は航空法その他の法令に基づき執筆しておりますが、法令は改正されることがあります。最新情報は国土交通省の公式サイトや、専門家にご確認ください。本記事の情報を利用したことによる損害等について、筆者は一切の責任を負いません。