事故・重大インシデント

事故・重大インシデントについて

1. まず押さえる基本 — 用語の整理(簡潔に)

  • 事故:人身傷害や他人の財産に重大な損害を与えた事象。被害が発生している状態。
  • 重大インシデント:重大事故に至る可能性が高かったが、幸いにして被害が発生しなかった事象(「ヒヤリ・ハット」のうち重大度の高いもの)。

※どちらも「報告対象」として扱われ、ただちに適切な対応・報告を行う必要があります。

2. 発生時の優先事項(最初に何をするか)

①救護義務(人命最優先)

 負傷者がいる場合は、医師、救急車等が到着するまでの間のガーゼや清潔なハンカチ等での止血等、可能な応急救護処置を行います。
この場合、むやみに負傷者を動かさない(特に頭部に傷を受けているときは動かさない)ようにします。

周囲の二次災害を防ぐ(機体の燃料漏れ、火災、落下物転落の危険など)。二次災害の恐れがある場合、すみやかに負傷者を安全な場所へ移動させます。

②その他の危険を防止するために必要な措置

 負傷者の救護を目的とする措置に加え、事故による被害が拡大することを防止し、火災が発生している場合は消防への連絡や消火活動 、警察官への事故の概要の報告(事故の発生場所、負傷者数や負傷の程度、物件の損壊の程度等) 等を行います。

③飛行の中止

 事故の発生後も当該無人航空機が飛行状態にある場合は、負傷者の救護や危険を防止するために、速やかに無人航空機を着陸させます
無人航空機を着陸させるにあたっては、事故発生場所から最寄りの無人航空機が安全に着陸できる場所(出発地、目的地、緊急着陸場所など)を選定します。

④国土交通大臣への報告(DIPS2.0で)

 事故等の報告は、ドローン情報基盤システム(DIPS2.0)における報告システムを用いて電磁的に速やかに行うことを原則とする。
DIPS2.0の報告システムが使えない場合、電話やメールでの報告も可能です。

3. 罰則

事故が起きた場合、負傷者を救護しなかった又は危険を防止するために必要な措置をしなかった
2年以下の拘禁刑又は100万円以下の罰金(航空法157条の6)

事故が起きた場合、国土交通大臣へ報告をせず、又は虚偽の報告をした
30万円以下の罰金(航空法157条の10)

4. 事故パターンと予防ポイント

  1. 操縦ミス(視認・誤操作)
    ・予防:目視内飛行、操作前のシミュレーション、疲労管理、緊急時の手順確認。
  2. 電源/バッテリートラブル
    ・予防:充電管理、劣化チェック、予備バッテリー点検、飛行前残量の余裕確保。
  3. 通信途絶(操縦信号・リモートID)
    ・予防:送信機・受信機の整備、電波環境確認、フェイルセーフ設定の確認。
  4. 機体故障(モーター、プロペラ)
    ・予防:日常点検と定期整備、消耗部品の早期交換、チェックリストによる確認。
  5. 第三者への接触・落下物被害
    ・予防:立入管理区画の設置、補助者の配置、飛行区域の飛行前確認、周囲への告知、保険加入。

まとめ

事故や重大インシデントは、誰にでも起こり得ます。

しかし、事前準備(日常点検・事前整備・報告フロー等)発生時の冷静な対応(救助義務・二次被害防止・飛行中止・報告など)で被害は小さく抑えられ、再発防止につながります。

DIPS2.0での国土交通大臣への報告は社会全体の安全安心につながる重要な行為です。

もし負傷者の救助やDIPS2.0での報告を怠ると航空法上の罰則だけでなく、撮影した映像が業務で使えなかったり業務の失注や信用の失墜に陥る可能性があります。